vol.14 メンデルスゾーンを弾く

来月20日にコントラバスとピアノによるデュオリサイタルを開催予定です。

もう長くソリストとしての活動をしていると、プログラミングに凝ってしまう傾向が強くなってきます。

他のソリストさんが組まないような曲目を並べてみたいと思ったり、

なんらかのこだわりを持って取り組んでみたり、

自分自身でマンネリを防ごうと思っているのでしょうか。

とはいうものの、クラシック音楽ですから、同じ曲目を取り組んできても、

長年のキャリアがあって、演奏内容に変化があるのは当然です。

 

 

フェリックス・メンデルスゾーン
フェリックス・メンデルスゾーン

今回のリサイタルのこだわりは、言うまでもなくヒンデミット没後50年にちなんだものです。
ただ、これだけではリサイタルプログラムを編成することは不可能。

そこで、ドイツ系作品だけに絞った構成を考えたわけです。

まずはここで語りたいのがメンデルスゾーンであります。

有名な曲では、やっぱり「結婚行進曲」かなあ?

勿論、ここで語るのは、コントラバスソリストとしてのメンデルスゾーンであります。

2009年、クラシック音楽界ではメンデルスゾーン生誕200年ということで、有名な作品から無名の作品まで、よく演奏されたものでした。

私も当時はチェロとピアノのための無言歌をよく弾きました。

叙情的かつ中間部の熱情的な調べなど、実に気持ちのいい小品。

コントラバスに置き換えても十分作品の魅力は伝わる作品です。

 

というより、私のメンデルスゾーンのソリストレパートリーはこれしかなかったのでした。

2009年当時はメンデルスゾーンのレパートリー拡大いろいろと考えていたのですが、どうもうまくいかなかったのでした。

 

ところが、最近になって「お、この曲って、いいかも?」なんて思った曲に出会ったのでした。

それが、今回のリサイタル冒頭に取り上げる予定のピアノとチェロのための協奏的変奏曲なのです。

チェロでもそんなに演奏される機会の少ない曲ですが、

お互いの楽器がまさに対等に語り合い、

音楽的な深みもあり、

それでいて技巧的なパッセージもあり、

なかなか楽しめる曲ではないでしょうか。

勝手な予想ですが、コントラバスで取り上げるのは、ひょっとしたら日本初演かもしれません?(真実は闇ですけどね)

 

 

ジョヴァンニ・ボッテジーニ
ジョヴァンニ・ボッテジーニ

ということで、私自身がメンデルスゾーンの作品を好んでいることから、

今回新たなるメンデルスゾーンに挑戦ということです。

でも、コントラバスソリスト業界でメンデルスゾーンはというと、

本当のところはボッテジーニ/演奏会用アレグロ「メンデルスゾーン風」なのでしょうね。

この曲、本家本元のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調に極めて似ているのです。

イタリア人の作品で技巧派の音楽が支配する、いわゆる万人受けの曲とはいえますけど、どこかドイツ的という感触もあり、

何しろモデルの曲がメンデルスゾーンですから、案外音楽性も感じられる曲ですね。

私もこれまでに好んで演奏してきていますが、今回はプログラミングの趣旨にそれてしまうので、残念ながら取り上げませんけれども。

 

 

私はどうもメンデルスゾーンにこだわりがあるようです。

私の演奏活動にも教育活動にも、彼の作品との関わりは大変深いものがあります。

そりゃ、彼の作品、知名度に関わらず名曲がいっぱいあるのです。

演奏は難しいものが本当に多いですけどね。

でも、こうやって、コントラバスソリストとしても関われることって、やっぱり幸せです。

 

2013.9.1