vol.41 Trio de Chopin

フレデリック・ショパン
フレデリック・ショパン

恐らくは、ショパン(1810-1849)という名前を知らないという方は極めて少ないと思われます。

そうそう、クラシック音楽にそんなに詳しくない方でも、

ショパンの知名度は極めて高いものです。

ピアノが好きな方なら、彼のピアノ曲なんて、お気に入りのものも多いでしょうし、

有名な曲はたくさん。

 

 

私自身、ピアノが大変好きでして、10代の頃はよくショパンの作品を弾いては遊んでいました。

そのことがあってか、コントラバスソリストとしても、彼の作品を取り上げようとしてきました。

え、ピアノ曲ばかりなのに、どうやって?

いやいや、数こそ少ないのですが、ショパンが残したチェロの作品が3曲ありまして、

1997年から2011年まで、断続的に取り上げてきました。

 

 

ところで、私としましては、かなり以前からどうしても気になる作品がありました。

そして、その曲はこれまで取り上げようと試みながらも、実現出来なかった作品でした。

それが、ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.8 なのです。

この曲、ショパンが1828年に作曲したもので、ショパンのこの編成による曲はこの1曲だけ。

ショパンがまだワルシャワにいた時代の若いころの作品でして、

若いのになかなか重厚な作風があり、

私としては「いい曲だなあ」と認識をしたのです。

 

ところが、この曲、演奏頻度があまり高くないのです。

いい曲なのに、なんでだろう?

原因は楽器の扱われ方にあるようです。

さすがに、ピアノパートはショパンのことですから、なかなかおいしいのですし、

この曲を献呈した先がチェロを弾く人物だったこともあり、チェロのパートもまあまあおいしい。

問題はヴァイオリンのパート。

よく言われていることは、ヴァイオリンの高音域での活躍が少なくやや弱いとのこと。

なるほど、ヴァイオリンのパートの最高音は第1弦のフラジオレットで出せるミ(E)の音よりも低いレ(D)の音。

かなりの部分で低い音のパッセージが多いのです。

作曲後のショパンも、この点については気にしていたようでして、

手紙にも「ヴァイオリンよりもヴィオラの方が、チェロに対抗して強さが出るかもしれない」との記述があるのだとか。

 

ここで、私が抱いた疑問。

「ヴィオラでもどうかなあ?」

ピアノ三重奏というジャンルに、ヴァイオリンではなくヴィオラというのは、あまり使われない楽器でして、

果たして、うまく調和するのでしょうか?

実際に聞いてみたいものなのですが、さすがにヴィオラでの実演を聞いたこともなく、またそのような演奏例が過去にあったのかどうかもわかりません。

では、このウィークポイントをどうやったら改善できるのか?

 

 

改善の方法があるじゃないですか。

ヴァイオリンのパートをクラリネットで置き換えるのです。

ヴァイオリンの音域はカヴァー出来ますし、

ヴィオラをもしも想定した際に考えられるパッセージも演奏可能となります。

これで、音域の問題は解決。

これを実践するのには、やっぱり私が組んでいます

クラリネット、コントラバス、ピアノの愉快なトリオ

で演奏するのが、私としては最善の方策です。

なので、このトリオが予定しています3月11日の公演で、ショパンのピアノ三重奏曲をメインに取り上げます。

実に斬新なアイデアに、ひょっとすると、まだみなさんの頭の中では「?」マークが浮かんでいらっしゃるかもしれませんが、

私たちのトリオならではの調和と躍動をお楽しみ下さると幸いです。

そうすると、ショパンの隠れた名曲に、新たな息吹が芽生えるかもしれません。

私もとても楽しみなのです。

 

2017.1.6