vol.43 ○○ソナタ

私自身の音楽趣向なのですが、曲名にある「○○ソナタ」というジャンル、とても好きなのです。

子どもの頃、ピアノを学習していて、「ピアノ・ソナタ」というのが出てきたら、凄く嫌いだったのに、

気が付けば、とても好きなジャンル。

 

ただ、クラシック音楽を愛好されています方々にとって、「○○ソナタ」みたいな曲に嫌悪感があると、一気に好みの曲数が減ってしまいますから、

まあ、標題がないこの漠然としたタイトルの曲も、名曲のオンパレードなのは至極当然のことと云えますね。

 

この「○○ソナタ」、○○には楽器の名称が入りますが、ピアノが入る場合はピアノだけで演奏するのですが、

他の楽器の名称が入る場合、「無伴奏」という冠が付かなければ、通常はその楽器とピアノとの二重奏となります。

 

 

パウル・ヒンデミット
パウル・ヒンデミット

私がコントラバス奏者として演奏するなら、

コントラバス・ソナタということになります。

私がこれまでに最も多く演奏してきたコントラバス・ソナタが、

パウル・ヒンデミット(Paul Hindemith 1895-1963)の作品です。

コントラバス業界なら極めて知られた作品ですし、

ヒンデミットを知っている方なら、ひょっとしたらご存知の作品かもしれませんし、

例え作品のことを知らなかったとしても、音楽的にはよくできた作品と思います。

 

 

あと、コントラバス・ソナタで演奏したことがあるのが、

チェコのアドルフ・ミシェク(Adolf Misek 1875-1955)のコントラバス・ソナタ。

3曲ある中で、第1番と第2番を取り上げたことがあります。

 

 

でもですよ、残念ながら、私がこれまでの演奏履歴からは、これだけの作品しか演奏していないのです。

他の楽器のためのソナタをコントラバスに置き換えて演奏したことの方が多いくらい、コントラバスという楽器がソナタを演奏することはオリジナル作品に限定すれば、制約が極めて多いのです。

これは、仕方がないことです。

じゃあ、私は大好きな「○○ソナタ」を味わうにはどうしたらいいのか?

 

 

答えは私がピアノパートを弾けばいいということ。

どういうわけだか、私のこれまでの演奏活動で、ピアニストとしてのものも多くあったのです。

特にここ数年は、いろんな「○○ソナタ」の演奏体験をピアニストとして経験してきました。

通常の器楽曲のピアノパートの学習よりも、事前の準備の量が極めて多くなり、

自宅で練習をしていても、練習時間が多く必要とされます。

大変なのですが、この準備や練習、そして本番での演奏が、私にとってはとても充実感を感じる幸せなことなのです。

だって、音楽の本質に迫るみたいな、そんな気概を持って名曲に接することが出来るのですから、勉強にならないはずがありません。

そう、「○○ソナタ」のピアノパートは決して伴奏ではなく、相手の楽器と対等の立場でデュオをする必要があるのです。

 

 

ここ数年、このようなジャンルの作品を、とあるところで10月に演奏する機会がありまして、今年も務めさせていただきます。

準備は大変ですが、とても楽しみにしている仕事なのです。

さあ、今度の「○○ソナタ」たち、どんな演奏風景になって、私はどのような化学変化を感じて成長することが出来るのか?

ピアニストというよりは、音楽家として、いい仕事ができるように精進したいなあ。

 

 

2017.9.7